ゆとり、就活やるってよ
スポンサーリンク
ぼくは、ゆとり世代のど真ん中を生きている。
ちょうど、僕が小学校に入学したくらいから土曜が休みになったらしい。
ゆとり世代は、「Z世代」とも呼ばれるらしい、なんかかっこいい。
昨日、牛丼屋さんで牛丼をかきこんでいたときのことだ。
近くにいた、それはもうとても仕事ができそうなサラリーマンと思しき面々の方々が
「最近の若いのは根性ないよなほんと。
最近も定時を少し過ぎただけで機嫌損ねちゃって、かわいくないね。
人事も人選びが大変だろうな、これだからゆとりは。」
でた。
「これだからゆとりは」
職場での、
「圧倒的パワーワードランキング」
でトップ15には食い込んできそうな、
今とても勢いのあるボキャブラリーとして認定してもいいだろう。
「そのパワーワードをぶつける相手が今隣で牛丼食ってますけど一言どうぞ」的な雰囲気を出していたが、残念ながら話しかけられることもなく、僕は店を出た。
そういえば最近、僕の友人(A)が仕事を辞めた。
まだ入社して2か月も経っていない。
なにがあったのか。
どうも話を聞いていくと、上司のパワハラに耐えられなくなったらしい。
「これだからゆとりは。」
きっと辞めた職場で今でもAのことは言われているだろう。
そもそもどうしてその会社(X社としよう)に入社したのかと聞いた。
Aはとても頭が切れるし、友達も多い、英語もできる。
僕の知っている友人の中でも少し抜けているように感じていた。
そんなAがX社に入社したと聞いて、タイプ的に異なる気がしたから最初はかなり驚いた。
まあうまくやっていくんだろう、くらいには思っていた。
それがどうだ、2か月でやめてしまった。
まじ What's happenって感じで話を聞いていると、選ぶ決め手になったのが
「安定」
でた。
でたでた。
就活で学生が、
「心の底で思ってるけど人事に言ったら落とされるかもしれなくて絶対に口に出せないワード」
第3位くらいにはランクインしそうな、これまた厄介なワードだ。
「御社が第一希望です」
「人事が言われて嬉しい言葉」不動の1位でマウントを取っている以上、「安定」というワードが彼を脅かす日はいつまでたっても来ないであろう。
「ちなみにほかに企業を受けなかったのか」と聞くと、どうも県内しか受けてなかったらしい。
「県外でも就活を考えた。でもお金も時間もかかる。しかも就活セミナーみたいなのに参加しないとエントリーできない企業も未だにたくさんあるし、その度に出費が重なることを考えると、とてもじゃないけど安易にエントリーできない。」
うむ。
都内の学生ならば、山手線一本150円くらいで説明会会場まで行けるだろう。
しかし、四国となると話は違う。
現状はこれだ。
(以下2016年データ)
42万5,000円…
Oh....
シンプルにしんどい。
これじゃ気軽に「東京で就活しよう」とも言えたもんじゃない。
だからAは、地元の企業で「安定」してる会社を選んで入社。
でも結果2か月で辞めた。
Aは、「ほんとは都内で仕事をしたい、海外でキャリアを描きたい」とずっと思っていたらしい。
僕は幸い、都内で働きながら就活も並行してやっている身分なので、そこまで費用はかかっていない。
昨今、Z世代はすぐに仕事を辞める、転職するといわれている。
おかげで転職市場が活況なのは言うまでもない。
でも新卒がすぐに仕事をやめる原因はそもそもなんなのか?
「学生が悪いのか?」
これは正しいだろうと僕は思う。
今多くの企業が、Webでの会社説明会を行い遠方の学生への配慮が導入されてきている。
他にも、企業からの逆求人サイト、説明会に行くだけでお金を支給してもらえるサービスなど負担軽減のための手段はいくらでもある。
それをどれだけ情報感度を高めてひろっていけるかはとても大切だと思う。
一方、僕は先日参加したとある選考のグループディスカッションで、違和感があった。
グループディスカッションのテーマが、
「あなたが会社選びで大切にしていることは?」
僕の大切にしていることはおいといて、そこに参加していた就活生の8割くらいが「人間関係」が一番と答えた。
「わかる。私も同じこと考えてた!」
「僕もだ、人間関係がやっぱり一番だよね」
こんなに多くの就活生に愛される言葉
「人間関係」
羨ましい、羨ましすぎる。
いっそ名字を「人間関係」に変えて、毎日自己陶酔に浸りたいレベルに、就活生の鉄板ワードとなっている。
確かに、働くうえで人間関係はとても大切だ。
でも、でもだ。
その会社の選考フローは、
・履歴書
・グループディスカッション
・個人面接(複数回)
僕は思った、
「社内の人間関係知る機会少なくね?ってかなくね?」
そう思ったが発言しなかった。
制限時間が迫っていたからだ。
意見の集約の時間も踏まえると、ここで水を差すようなことも言えないと思い、発言をためらった。
そのこともあってか、終始スムーズに進んだ。
僕のグループの他のメンバーは、全員が全員、「異議なし」という様子で結論に至った。
それを見ていた、社員からのフィードバック。
言及されたのは、グループディスカッションの中身よりも、タイムマネージメントのことや、引っ込みがちの学生へのフォローをもっとしようという外側のことばかり。
なんか違う、違う気がする…
拭えぬ違和感を抱えて、僕は帰路についた…
就活の時期になると学生たちが同じタイミングで就活をはじめ、リクルートスーツを身にまとい、「とりあえずあの企業有名だしエントリーしよ」という温度感でエントリー合戦が始まる。
これが今の、これまでの日本の就活。
別に否定はしないし、マジョリティがその考えなんだから多数決の原理で言えば、正解なのだろう。
しかし、この制度で採用された多くの「ゆとり世代」の新卒が早いタイミングで辞めるか、転職に踏み切っている現状が今多くある。
牛丼屋にいたサラリーマンたちも、かつて今のような就活をしていたのでろうか?
なにが今、多くの「ゆとり世代」を突き動かしているのか?
ゆとり、就活やるってよ。