100年以上続く、伝統の木桶仕込みの醤油蔵を訪ねて - ヤマロク醤油株式会社 -
スポンサーリンク
前回に続き、今回も香川県は小豆島が誇る産業のご紹介。
ちなみに前回は、「インスタ映え」すると噂の小豆島唯一の酒蔵をご紹介しました。
「インスタ映えする酒蔵」ということもあり、比較的設立の新しい、モダンなスタイルの酒蔵をご紹介しました。
そして今回は、少しテイストを変えて。
前回ご紹介した「森國酒造」さんから自転車で走ること10分。
100年以上の歴史と伝統の作りの製法を持つ、小豆島の「ヤマロク醤油株式」さんを訪ねました。
400年以上の伝統を誇る。
"桶"の王国小豆島の「醤油造り」
住宅街の入り組んだ道を進むこと数分。
まだまだ続く残暑とのコントラストかのような、とても美しい赤々とした醤トマトに迎え入れられ、「ヤマロク醤油株式会社」さんに到着しました。
※こちらのトマトは、醤油を仕込むときにできる絞り粕を肥料に育てられています。
自転車を漕いで火照った身体に、キンキンに冷えた小豆島育ちの甘いトマトは、絶品でした。
「ヤマロク醤油株式会社」
- いざ「醤油蔵」の見学へ -
少し進むと、長年ヤマロク醤油造りに貢献してきたであろう、味の出た木桶を多数発見。
現代では、醤油蔵でもステンレスの樽を使用して醸造している醤油蔵も増えてきているようですが、ヤマロク醤油さんでは100%木桶を使用し、全ての醤油醸造を行っていました。
ちなみに醤油を造る際の木桶の樽のことを「もろみ樽」と呼ぶそうです。
ヤマロクさんでは「大杉樽」というもろみ樽を使用しており、1個で6000リットルも仕込むことができるとのことでした。すごい。
※ちなみに上の写真の真ん中に見える、比較的新しい木桶はまだ使い始めて5年ほどとのこと。 5年でもとても味が出ていますよね。
「呼吸」をする蔵。
そしてこの醤油蔵で最も衝撃を受けた大杉樽がこちら。
なんとすでに100年以上もこの木桶を使い続けて醤油造りをしているようです。
もはや味が出ているとかいう次元でもなく、1世紀以上日本の醤油造りを支えてきたと考えると言葉がありませんでした。
一見ボロボロに見える樽ですが、そこが「呼吸をしている」と言われるポイント。
醤油造りに欠かせない酵母菌や乳酸菌がこの樽と蔵全体に住み着き、今でもその菌たちが生活しているわけです。
もはやミクロの世界ですが、こうした世界観が小豆島の醤油作りの伝統かもしれませんね。
こちらが木桶の中の様子。
2年寝かせたものから、もうさらに2年寝かせて4年仕込みの醤油もあるそうです。
醤油のツンとした香りを近くに行くとより一層感じました。
そして利き酒ならぬ、「利き醤油」を体験。
仕込み年数が長いものだと、とても味が濃いかと思っていましたがとてもスッキリとライトなテイストのお醤油もありました。
僕は卵かけご飯に麺つゆをかけていただくのが大好きなので、「菊つゆ」さんを購入して帰りました。
早速帰って卵かけご飯にかけて見たのですが、歴史ある蔵で作られた醤油であることを想像するととても味わい深かったです。
最後に
今回も小豆島にある産業をご紹介しました。
ちなみに全国に残っている3000〜4000本の大杉樽のうち、1000本がここ小豆島に残っているようです。
一つの地域にこれだけ密集していることも大変珍しく、全国でも類を見ないほどとのことでした。それだけ伝統ある地場産業であるということの証拠ですね!
皆さんも是非小豆島にお越しの際は立ち寄られてみてください。
きっと醤油の新たな世界に触れることができますよ!