「あなたは英語を"話せますか"?」に対する疑問。
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「あなたは英語を話せますか?」
こんな質問をされたとき、みなさんならなんて答えますか?
「いや、僕なんか(私なんか)全然しゃべれないです。(笑)」
こうやって答える人が日本人にはとっても多いですよね。
僕は、アメリカにいたときに、同じような質問をアメリカ人にしたことがあります。
" Can you speak Japanese? "
みなさんは、Yes と Noの回答でどちらが多かったと思いますか?
答えは、"Yes"です。
それならばと日本語で話しかけてみると、
"Wait, wait, wait , I know uhh, 「すし」「刺身」「こんにちは」「おはよう」「ありがとう」etc... Yeah! I can speak it!"
こんな回答をしてくれる外国人が多かったです。
そう、彼らは「日本語を"話せます"」。
「そんなもん、話せるうちに入らないだろ」と笑う日本人もいるかもしれませんが、僕は大まじめに彼らは「日本語が話せる人たちだ」と認識しています。
僕は、日本人と他国の英語が母語ではない国の人々との語学の差は、この点にあるのだと思います。
世界のスーパースターが魅せた「振る舞い」
僕は、日本人にこそ見てほしい1つの動画があります。
それは、日本人少年に対する、世界ナンバーワンのプロサッカー選手クリスティアーノ・ロナウドがみせたこの対応です。
一生懸命、準備したポルトガル語のメモをみながらたどたどしくも話しかける少年。
それをみて笑う日本の報道陣。
その様子にロナウドが放った、
" Why they smile, why?(なぜ笑うんだい?)"
このtheyは、報道陣に向けられたものです。
"He speaks good Portguese. Very good."
ロナウドの、この一連の日本の報道陣を一蹴した対応。
海外から見た、日本の言語環境の実情を風刺しているワンシーンにも感じ、ある意味痛快でもありました。
他にも、たとえば、電車にのっているとき。
実際僕も、外国人に話しかけている日本人をみて、クスクスと笑っている人を一度だけでなく何度も見かけたことがあります。
中には、発音や文法のミスを陰で指摘するようなインテリぶってる人も見たこともあります。
その人たちのことを、めっちゃダサいなって思いました。
その話しかけられている外国人が、とっても嬉しそうにその日本人と会話をしていても、「君と一緒に話せてよかったよ」と言っていても、です。
日本人の謙虚で、何事もきっちりこなす国民性は素晴らしいと思います。
でも、言語学習の面においては、その国民性が圧倒的な足かせにもなっています。
「完璧な、きっちり会話をできるレベルの英語力でないと、英語を話せるといえない」と考えている日本人がとっても多いと思いますが、アメリカ人の冒頭の実例を思い出してみてください。
僕は、日本人の語学学習に対する意識向上はとっても素晴らしいと思う反面、それを実践の場で使うことへのハードルを、日本社会としてもっとさげる必要があると思います。
僕は3年前、イギリスのウェールズというところに3週間ほどステイした経験があります。
ここでは、「ウェールズ語」という独自の言語が今も使われています。
僕はここでの滞在中、例えばバスを降りるときや、スーパーで買い物をするとき、ほんの数ワードしかしらないウェールズ語で話しかけたり、お礼を言ったりしていました。
すると、ウェールズ人の多くから、僕のことを「ウェールズ語を話せるジャパニーズ」として、何度も歓迎してもらった経験があります。
単語レベルでしかわからないと告げても、「そんなの関係ない、お前もウェールズ語を話せるじゃないか」と感激されて、バス賃をタダにしてもらった経験もあります。
「話せる」の基準は、人によっても国によっても違います。
でも日本は異常だと僕は思います。
もっと言語学習へのハードルを下げて、日本に来ている外国人とも積極的に話しかけられる、交流できる雰囲気、環境を僕たちの意識レベルから変えていく。
言語はあくまでツールです。
たとえ完璧な文法や文章でなくても「伝われば」いいんです。
もっと、「海外で活躍したい、外国人の友達がたくさんほしい」と思っている日本人の方への理解が深まっていくと、ものすごく小規模でもこれが「グローバル化」への本当の一歩につながるんじゃないかなと思います。
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