「就活ルール廃止」は必要悪なのか?
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先日、こんな記事を見つけた。
「就活ルール廃止」
そういえば数か月前、経団連の中西会長がこう発言し、各界から賛否がとびかっていたことが記憶に新しい方もいるかもしれませんね。
僕もつい数か月前までは就活生だった身。
まったくもって他人事ではないので、ついつい最後まで読んでしまいました。
日本ほど、ここまで大卒の新卒一括採用が根付いている国は他にはないと思います。
年齢も、性別も、育ってきたバックグランドも違う僕たち。
しかし、就活のシーズンになると、未だにみんな同じようなリルートスーツに身を包み、エントリー解禁の瞬間をパソコンの前で待ち構えて、一斉に複数の企業にエントリーを開始します。
そして面接に向かうと、
「これまでの学生生活で頑張ってきたことは何ですか?」
企業によってはこのような質問を、集団面接で全員に一人ずつ聞いたりするらしい。
(僕は集団面接というものを経験したことがないので、あまり勝手なことは言わないでおこうと思う)
しかし、厳密にこの就活解禁・採用面接解禁ルールを守っている企業が多いかというと、実際は水面下で学生の獲得合戦に向けて企業側もあの手この手を使って、早期に獲得しようとする動きが近年はさらに顕在化しているように感じます。
政治レベルで、就活の前倒し、後ろ倒しが政策として実行されてきた過去もありましたが、企業数の数だけ採用戦略があり、それがネットの力で拡散力を伴っている現代だからこそ、一概に統一するのは厳しさを増しているのも事実ではないかなと思います。
そんな形骸化していた、日本の就活市場において、僕は中西会長の「就活ルール廃止宣言」は英断であったと純粋に感じました。
近年では、「新卒通年採用」など中途採用も含めたて、1年を通して採用に力を入れる企業も少なくありません。
実際に僕が内々定をいただいたとある企業も、通年採用を実施している企業であったし、加えてグローバルに事業を展開している企業でもありました。
実際、そこの企業は従業員の4割近くは外国籍でした。
外国籍の人材が多い企業というと、メルカリの今年の新卒採用戦略は世間を驚かせましたよね。
フリマ市場拡大に向けて、グローバル市場を取りに行くメルカリにたいしては賛否両論がこれまた起こっていましたが、現に日本の企業でもこうした、「 "純ジャパ" ではなく優秀な外国の若者を採用したい」というニーズが徐々に高まりつつあるのは事実でしょう。
もちろん、これまで通り、就活時期が近づく3年生の夏ごろからインターンシップへのエントリーをはじめ、4年生前の春休みから企業説明会に出向き、エントリーシートを複数の企業に提出し、就職面接に臨むというスタイルを否定はしません。
それがこれまでの日本の就活市場の土台であり、スタンダードを築いてきたからこそ、僕が冒頭で紹介したような記事の議論が巻き起こるのだと思います。
大学側からも、この就活ルールの廃止案に際し、「学業面がおろそかになる」という否定的な意見が出るのもうなずけます。
しかし、就活市場の主人公は、あくまで就活生自身です。
これまでも、ニュースや新聞でこの「就活論議」について有識者の方々が議論をぶつけていましたが、実際に就職活動をしていた当時の自分が、「どれくらい就活生のリアルを把握できているのか」という観点で話を聞いていると、どうもその当事者視点が抜けている外野の意見が多かったように感じました。
しかし、政治や大学間でルールがどうこう言っている間にも、実際に優秀な人材は海外からもどんどん国内に新卒枠で入ってきています。
これは自分が選考を受けた企業が実際にそうであったから、肌感覚で自信をもって話せます。
この「就活ルール廃止」はすなわち、就活市場の「学生の "超早期採用" 」を意味することにもなります。
企業によっては、優秀な学生を1年生の段階から囲い込みたいという動きが出てくるはずだし、企業もこれまで以上に自由な就活マーケットに躍起になるのではないかと思います。
つまり、実力のある学生ほどこれまで以上に早い段階で企業の目に留まりやすくなりますよね。
「あなたが学生時代に頑張ってきたことはなんですか?」
この質問を受けている瞬間にも、すでに早期採用の学生によって採用枠の8割が埋まってしまっている可能性だって、これからますますあり得ます。
大学生活は、サークルやアルバイトで多くの友人とたくさんの思い出を作ったり、旅行に行って世界を知ったりと、とっても貴重で、かけがえのない素晴らしい時間だと思います。
だからこそ、大学生活をこれから社会に出る準備期間としてとらえるのであれば、自分の「武器」を磨いて、1年目から戦えるだけの戦闘力をぶち上げておく必要もあるのではないかなと僕は思います。
これからますます多様化・多国籍化する就活マーケット。
こうした「マーケットの変化」に対するアンテナだけでも、張っておいて損はないのではと思います。
外野の議論が活発になっても、主人公である自分自身は見失わず、面接官に「選ばれる」と肩に力を入れずに、俺が・私がこの会社を「選んでやる」くらいの気概で臨めるといいですね。
今日はそんなことを思ったりしました。
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